もうタイムリーではないかもしれませんが、12月1日に発表された2023年の流行語大賞はいわずもがな、アレでした。
プロ野球で岡田監督率いる阪神タイガースが38年ぶりに日本一に輝いたわけですが、そのスローガンが「アレ」。
そもそも”アレ”の意味は優勝のことを指すのだそうだが、”優勝”という言葉を出すとチームがおかしくなるとのことで、封印したそうですね。
しかし、結果として、それが功を奏しての今年の快挙だったと言われるようになりました。
私はプロ野球を観ないので、そのいきさつの詳細は分からないのですが、このエピソード、ひょっとしたた一人歩きしている部分だけを勝手に解釈してしまっていたら申し訳ないのですが、なんとなく分かるなぁと思った次第です。
スポーツであれば優勝、試験であれば合格、事業であれば業績、と何をするにも結果はつきものです。
落合博光氏は、「勝つことが最大のファンサービス」といいますが、プロの世界では結果が出なければ活動を存続すること許されませんから、「負ける」ことは許されません。
しかしながら、今回のアレは対照的です。
岡田監督は、”アレ”という言葉を使用したいきさつとして、
「言うたらおかしくなるんよ。いらんこと言うたらアカン。」
ということで、”優勝”と言う言葉を”いらんこと”としてNGワードにしたとか。
プロスポーツの世界で優勝と言う言葉を使うなって、ヘンな話です。
しかし、同じような話として取り上げていいかどうかはわかりませんが、日ハムの新庄監督が21年の就任時に
「優勝なんて一切目指しません」
と記者会見で放ったことも鮮烈でしたが、彼らの捉える”優勝”への解釈には私としては共通する部分もあるのかなと思った次第です。
彼らが何を言わんとするか、その心を察しようと試みるに、
”優勝”という相対的な結果を表す言葉にとらわれてしまうと、発想が固くなり、身心もまた固くなってしまってかえって”優勝”が遠のく
ということではないかと思うのです。
そもそも、プロスポーツの世界で優勝を目指さないということはありえないわけで、選手の頭の中ももちろん、優勝を目指しているわけで、いちいち、外から優勝優勝とつつかれても焼け石に水、言われたくないというか、それよりも、そのために身体や心が効果的に働くようにしたい、チームとうまく連携したいというところで試行錯誤している選手にとってはありがた迷惑、ということもあるのではないでしょうか。
今年世間を騒がせたビッグモーターの一連の件もそうですが、会社でも、利益、利益と言っていると社内には余計な制度や異常なノルマ、そして荒んだ組織風土ができてしまって、最終的にはアレ(別の意味の)になってしまうというのを学ばせていただいているようにも思います。
トップ陣は、チームの舵取りにもちろん最高の結果にコミットすることは当然ですし、現役のプレイヤーもプロなら結果を出すことは当然のことで、そもそもいちいち言葉に出てくる方が必要以上に力んでいるようで不自然のかもしれません。
つまり、「アレ」を目指そうという雰囲気だけがあれば、十分。
そして、それを余計なストレスなく目指せればいい。
阪神の快挙とスローガンは、いい意味で肩の力を抜くことの大切さを教えてくれているような気がします。
コメント